企業広報とは? ─今さら聞けないソレなあに─
このコーナーは、社会人3年目のoy(お~わい)が、社会の仕組みや日本の常識などさまざまなジャンルで、今さら聞けない基本的な疑問をttt(照井保臣)氏に聞いてみたいと思います
oy 「このブログによく登場する“企業広報”ってそもそもどんなことをする部署なんですか?」
ttt 「そんなことも知らずにいたのか!」
oy 「すっすみません・・・。今までは宣伝文や広告を作ったりするのかな~と思ってたけど、何だかちょっと違う気がしてきました」
ttt 「お~、いい点にきづいたね。広報という部署は、社会世論を代弁するマスコミ、言論機関って言うんだけどね。ここに対応する企業では唯一の部署で、ま、社会に開かれたただ一つの窓口とでも言うべきところだね」
oy 「えっ? ちょっとイメージとちがいますね…。昨年、某有名IT企業の美人広報っていうのが騒がれたりするから、メディアに対して宣伝する部署かと思ってました」
ttt 「ああ、ホリエモンのライブドアで広報をやっていた、あの美人広報ウーマンね。乙部、なんていったっけ、乙部綾子さんだったかな。どっちにしても、僕の記憶に残っているくらいなんだから、広報担当としては使えないね。きみだって、彼女を見てメディアに対する宣伝部署かって思ったんだろう。社会に気を使う立場の広報担当者が、会社どころか自分を有名にしてどうしようっていうんだ。売り込みは宣伝部、広報はあくまで社会への窓口でなくちゃ」
oy 「なるほど。実は、企業の中で一番社会に気を使う部署なんですね。彼女は、マスコミを使って社会に気を使わせていた…」
ttt 「そう、日本社会には、出る釘は打たれるっていう風習があるだろう。ホリエモンは、IT長者で打たれる立場だったんだから、広報担当は出る釘にならないように気を使う必要があった。これが出来て、広報マンはやっと一人前かな」
oy 「それなのに彼女は、出る釘になるように目立たせてしまった」
ttt 「それは、企業広報をよく知らないやつが、彼女に、広報とは会社にとっていいニュースをマスコミに書かせることが仕事と、教え込んだからだと思うね」
oy 「ホントは、そんなに単純じゃない?」
ttt 「表向きはその通りなんだけど、マスコミは企業にとって都合のいいニュースだけを書くほど、甘くはない。いいニュースも書くけど、悪いニュースも書く。 どちらのインパクトが強いかといえば、もちろん悪いニュースのほうだ。だから、本物の広報マンは、いいニュースを書いてもらうことより会社の行為や方針を、マスコミに正しく理解してもらう努力をする。企業論理は、社会になかなか正しく理解してもらえないからね」
oy 「ん”っん~なるほど、それで先生のところに一流企業の人がたくさん、本物の広報を教わりに来るんですね。ん~、まだまだ知ってるつもりで知らないことがたくさんあるんだ…。また、教えてください」
最悪、大相撲の係争ますます深みに
大相撲の係争は、ますます深みか、和解への一歩か
報道によれば、日本相撲協会は5月30日に、同協会の伊佐次啓二・顧問弁護士が、『週刊現代』に八百長相撲を仲介したと報じられた宮城野親方から2度目の事情聴取を行ない、追加の民事訴訟を検討していることを明らかにした。そして、その理由は伊佐次顧問弁護士によれば、(28日発売の同誌の記事で)「理事長が八百長の黒幕とされており、これまでと毛色が違う記事。追加で訴訟を起こす可能性もある」(MSN.ニュース 毎日新聞2007年5月30日)というものである
大相撲の八百長問題は、いよいよ心配していた方向に進みだした。問題は、八百長があったか、どうか(の解明)であったはずなのに、検討している追加の訴訟は、北の湖理事長の名誉棄損問題に発展しそうな気配である
これは裁判に勝たなければならない顧問弁護士としては、当然といえば当然と方向性で、それは理解しなければならない。しかし、こうした係争の発展が、果たして国民の望んでいる問題の解決方向なのかといえば、それは明らかに違っている。理事長の名誉毀損は、問題の本筋から外れている
ファンや国民は、係争がこうした本筋から離れ、いわば泥沼化するのを恐れていたのである。それゆえ、声高に、『大相撲に訴訟はそぐわない(似合わない)』と主張し続けてきた。それにもかかわらず、北の湖理事長はそうした声に耳を貸さず、名誉毀損にばく進しそうな気配である
ただ、これは表面的なニュースの受け取り方で、ことの真相は、あるいはこれは提訴取り下げ、あるいは和解へのシグナルである可能性がある
というのは、本筋の八百長問題は『週刊現代』側が宮城野親方の証拠発言テープを持っているということで、勝負の行方はほぼ見えてきた。動かぬ証拠というやつである。そこで裁判テクニックとしては、問題を本筋からはずし、理事長の名誉毀損に持っていこうということなのだろうが、果たしてこれで勝てるのか、どうか。勝てたとしても、八百長の否定までは行かないのではないだろうか
そこで考えられるのが、名誉ある撤退作戦。動かぬ証拠の重さにもよるが、協会としては、そろそろ敗訴も念頭においているのではなかろうか。とすれば、絶対に八百長を認めた形で終えるわけには行かないから、誰も傷がつかない方法で、撤退の道を探らなければならない。その駆け引きの材料として、理事長の名誉毀損問題を持ち出した…。それにあらぬか、伊佐次顧問弁護士は、「追加で訴訟を起こす」とは断言しないで、「追加で訴訟を起こす可能性がある」と、含みを残した言い方をしている
ぜひ、そうしてほしいものである。何度も言うが、大相撲に訴訟はそぐわない──
NECの裏金5億円は組織ぐるみ犯罪!?
裏金5億円を一人頭5千万円で山分け、まさか!
報道によれば、大手電機メーカーNECの国内営業部門のうち、ソフトウエア開発など5部門の部長級の幹部を含む約10人が、22億円の不正取引で5億円の裏金を捻出、個人的な飲食費などに使っていた。手口は、取引先に架空発注させ現金をキャッシュバックさせるというもので、1999年ごろから2006年ごろまで7年間に5件、これが東京国税局の税務調査で発覚した
NECは、「…関与した社員がそれぞれ企てたことで、会社ぐるみではない」と、組織的な行為を否定している(読売新聞5月29日朝刊)が、これが組織ぐるみ犯罪でなくて、一体なんだというのだろう。個人的犯罪ということでけりをつけたいのだろうが、企業広報として、これはあまりに詭弁すぎて無理がある。なんでもかんでも、個人犯罪にすればいいというものではない。事後処理としては、おそまつすぎる
もしNECが言うように、これが個人犯罪なら、5部門5件にわたり10人も関与していたということは、同社は泥棒の巣のような犯罪だらけの企業ということになる。しかも、7年間にもわたって、である。さらに、5億円という裏金は、一人頭5千万円だ。個人の犯罪としては、あまりに多くはないか。美味しすぎる、というより、どこかおかしくないだろうか
たとえば、税務調査で発覚したということだから、5年間に一人で5千万円使ったとしよう。年、1千万円。月、80万円強。毎週、16万円。それが国内営業部門に10人もいて、5年以上続いていた…。現実にそんなことが可能なはずがない。もし、NECが、あくまでこれが個人犯罪だと強弁するなら、この犯罪が、10人それぞれが個人的にどんな状況でどのように行なわれていたか、そして、会社がこの異常な犯罪をなぜチェックできなかったかを、社会良識が納得するかたちで説明する必要がある
しかし、おそらくNECは説明できまい。なぜなら、同社にはこれが組織ぐるみの犯罪だという自覚がないからである。彼らにとって、こうした犯罪は、見つかったやつが悪いといった程度の認識かに見える。正式の社命で行なわれたものでない限り、それは組織犯罪ではないという考え方である。この考えを推し進めれば、社命以外の組織的犯罪は、組織犯罪ではないということになる。したがって、発覚したらそれは個人犯罪として処理されるという、恐ろしい企業風土なのである
NECは昨年3月にも、似たような架空取引犯罪が発覚している。このときは、100%子会社のNECエンジニアリングの社員が4年間で363億円の架空取引を繰り返し、5千万円を着服していた。あるいはこれは、NECが言うように個人犯罪であったかもしれない。しかし、また同じような架空取引を利用した犯罪が発覚した
1年前に発覚しなかったこと自体がこの種の犯罪に対する甘さを物語っているし、今度は5件、5億、10人という異常さである。これを個人の犯罪で片付けようというのであれば、NECにはこの種の「個人的」犯罪が、まだうようよしているのではないかと見るのは、きわめて自然である。NECは、犯罪うようよ企業なのだろうか
日本を代表する企業として、うわべだけのコンプライアンスの強化や犯罪防止策ではなく、企業風土として犯罪の温床にならない抜本策を望みたいものである


